4月から5月にかけてのワイドショーの話題は「頂き女子」と「那須の2遺体事件」のツートップやった。前者は令和最大の毒婦、「頂き女子りりちゃん」やそれに関連して情婦からみのトラブルや殺人事件やらなんやらやらなんやら・・・

 

いや、たやら結婚詐欺師やったらん・・・色恋沙汰で殺人事件に発展ってようある話やったらん・・・昭和、平成やったら1年に2?3回は見るような平凡な犯罪(!?)思えなくもないんやけど、SNS上での男女対立がイスラエルとパレスチナレベルの関係性まで進んや結果、SNSでは自力救済論が唱えられ、何故か山上徹也までが再評価されるようわからへんことになっとる。

 

もう一つは那須での殺人事件。蓋をあけてみれば親族間の財産を巡るトラブルやったようで、これもごく普通の殺人動機やけど、そやけどアンタ、首謀者が殺人事件を外注したことで話がややこしくなってしもた。闇バイトにより無関係の若者が凄惨な殺人に手を染め、その一人はなんと大河ドラマ「軍師官兵衛」に出演した元子役俳優やったとのこと。この犯罪の余波として「軍師官兵衛」が封印作品になるんとちゃうかと界隈では心配の声があがっとりまんねん。

 

 

 

 

 

これらの時事ニュースを読んどるうちに

唐突に頭に浮かんできたちうワケや・・・

 

 

 

結婚詐欺師に放送禁止・・・結婚詐欺師に放送禁止というたら・・・

 

 

 

 

 

ウルトラセブン 第12話 「遊星より愛をこめて」やでな!(自然薯ソーニュー(うひひひ...おっとカンニンや))

 

 

 

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やまとでは言論・表現の自由を認められとるもんのやまと国憲法第21条、放送法5条に基づき放送業者が自主的に放送コードを定め、それに従って番組制作と放送を行っとりまんねん。具体的には個人情報特定のおそれのあるもん、サブミリナル、差別を助長する表現・・・時代、世論の変身によって当世に好ましないもんは再放送にあたって該当部分を消すといったこともおます。

 

 

 

 


 

 

特にボウズ向けの番組は教育上、放送前に厳格なルールで確認が行われるもんの、昭和のおおらかいな時代では「主に特撮作品中心に」ぶっとんや言葉遣いや表現が多数確認できまんねん(例:「キチガイ」連呼、やたら敵キャラの首がすっ飛ぶ)。

 

 

とはいえ、これらは当時の人々の社会習俗を知る重要な資料でもあるんや。ようけは作品のオリジナリティを尊重して再放送時にはおことわりの文句と共にそのまんま放送されることが多いや。

 

 

 






せやけどダンさん、そないな特撮作品でも数はちびっとのもんの未だに放送禁止の処置がなされとる作品がおます。それがウルトラセブン第12話「遊星より愛をこめて」に登場するスペル星人や。






 

 

 

ウルトラセブン、円谷プロダクションの特撮テレビ番組「ウルトラシリーズ」の3作品目にあたり、今なおボウズたちのヒーローである「ウルトラマン」シリーズ2番目の作品で、宇宙からの侵略者と戦う地球人の防衛軍・ウルトラ警備隊とそれに協力する宇宙人・ウルトラセブンの活躍を描く物語や。前作の「ウルトラマン」では宇宙人や怪獣が現れ、ウルトラマンや防衛軍がこれを「撃退する」ことが重視されとったんやが、本作では「宇宙人」にスポットライトを当てており、宇宙人がなんで地球を狙うんか、宇宙人の戦艦と防衛軍の戦闘機による空中戦、宇宙人でありながら地球に味方し続ける主人公・セブンの葛藤やらなんやらを描いており、特撮よりもに人間ドラマが中心なのが特徴や。

 

 

 

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「遊星より愛をこめて」放送当初および作品終了して数年は問題になることはあらへんかったんですわ。(「ダークゾーン」「ノンマルトの使者」「人間牧場」やらなんやらやらなんやらもっともっともっともっともっともっともっともっともっと今やと放送許可下りづらい作品はあるんや・・・)

 

 

それが問題になりよったのが197010月、小学館の学年誌の付録としてついとった怪獣カードに作品に登場するスペル星人があり、その説明欄に

 


 

 

「ひばくせいじん」

 




 

 

ちうド直球マッハ5ストレートな表現が用いられており、これをきっかけに騒動が始まってしもたんや。

 



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ちうのが、これを知ったボウズのおとんが原爆被害者団体の大物なんやし、「円谷プロと小学館は被爆者を怪獣として扱うんか!」と抗議。さらに新聞を始めとした各種メディアがこの騒動を報道して騒動は全国規模に発展。抗議からわずか2週間で円谷プロと小学館は全面降伏し関係者各所に謝罪および作品の欠番(封印)をしたことで、騒動は沈静化していったんや。

 

 

 

ごっつうも早すぎるスピード解決やったが、当時の特撮界は第三次怪獣ブームのアーリータームにあり、円谷プロでも次作「帰ってきたウルトラマン」の企画に向けて準備をしてん最中やったんや。後続の放送にケチがつかいないためにも、スペル星人一人に業を背負ってもらう必要があったんや。

 

 

 

円谷プロは怪獣や宇宙人の詳細な設定に定評がおますが、柳田理科雄の「空想科学読本」で度々ネタにされてきたように、「マッハ5で泳ぐガマクジラ」「レッドキングのパンチはダイナマイト1t」「ゼットンの火球は1兆度」やらなんやらぶっ飛んだ設定に加え、各種メディアでの整合性もとれておらへんし、スペル星人の公式の肩書も「吸血宇宙人」と「ひばくせいじん」と銘打ったんは円谷プロではおまへん第三者によるもんで連携もとれていへんかったのも騒動を防げへんかったことに拍車をかけたんや。

 



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その後欠番になってから20年経ち、30年経ち、関係者の態度が軟化したかて円谷プロが本エピソードを解禁する姿勢は見せへんし、この作品に関する取材も一貫して拒否し続けとりまんねん。2010年以降になるとテレビ番組以外のメディア媒体にスペル星人を匂わせるようなモブキャラや記述が増えており、公式的な作品解禁の動きがあるんでは?とファンの間で時々語られはるもんの、放送禁止になってから半世紀、ワイが思うには関係者のようけが鬼籍に入りつつあっても、公式で解禁の声は上がっておらへんあたりテレビへの出演は永久的に厳しいんかもしれへん。

 

 

 

 

 

では、その問題のスペル星人はいかいなる宇宙人やってんな?

本エピソードのあらすじはこうや。(ネタバレ用心)

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラ警備隊は、きょうび続発する若い女性が日中に倒れる事件に「放射能被爆の症状」と「同じ型番の腕時計」をはめとったことに気づく。事件を捜査する際中、ヒロインのアンヌ隊員の大学時代の友達(なんと前作ウルトラマンのヒロインを演じた桜井浩子)も同じ腕時計をはめとったことに気づき、その入手経路を聞くと、友人はきょうび付き合い始めた恋人からもろたもんやいうとちゃうか。その恋人の正体こそスペル星人なんやし、彼らは廃ビル(やたら奇抜なデザインをしてて目立つ)をアジトとして、秘密裏に地球人の血液を採取しとったのやったちうわけや。

スペル星人は過去に戦争で放射能を浴びており、血液に異常をきたしとった。治療の方法としてオノレとよう似た姿の地球人の血液を使うてオノレたちの血液を浄化したろおもていたのや。せやけどダンさん、調査を続けていくうちに若い女性よりもボウズの方が血液の浄化性能が高いことが判明。恋人に偽装して血液採取器をとる作戦から、ボウズたちをアジトに集めて血液を抜き取ろうと暗躍し始めたちうわけや。せやけどダンさん、既に事件の全貌をつかみつつあった、ウルトラ警備隊によって寸でのトコロで阻止され、(なんでやろかわいもよーしらんがスペル星人がオノレから巨大化して作戦をべらべらしゃべるやらなんやらしたことで)露見。そのまんまウルトラ警備隊とセブンVSスペル星人軍との戦いが始まったちうわけや。

お互いに戦艦と巨人の連携作戦により一進一退の攻防が繰り広げられはるが、ウルトラホークが宇宙船を撃墜したことで、スペル星人は形成不利と見て撤退。それを見たセブンは必殺技のアイスラッガーを放ち勝利したちうわけや。かくしてウルトラ警備隊の活躍によりスペル星人の侵略隊は殲滅させられ平和が戻ってきたちうわけや。

恋人が侵略者やったとわかり、落ち込むアンヌの友人。腕時計を川に投げてこうつぶやく

 

「いつか宇宙人も地球人もお互い愛し合える時代が来よるんかしら?」

 

それを聞いとったセブンは心の中でこうつぶやくのやったちうわけや。

 

「ああ、きっと来よる。現にM78星雲の人間であるこのわいが地球人を愛してんやから・・・」

 

 

 

 

 

 

 

以上が本エピソードのあらすじ。一つ一つのエピソードがドラマとしてどエライクオリティが高いセブンシリーズにとっては脚本の粗が酷かったり(普通に輸血や当時のやまとでは認められとった売血やらなんやらで集めればよかったんやないやろかね・・・)とお粗末にも名作の部類とちゃうんや。むしろ封印作品であることがこの作品のアイデンティティたらしてめとる。ほんでスペル星人のデザインも白い能面とトコどころに火傷の跡がある以外はこれというて特徴的のあらへん宇宙人なんや。放射能で影響を受けたとあるが、実はウルトラヒーローである光の国の住民も、放射能実験の結果、人間を超人化する方法が分かったため、これを星の住民に浴びせようガンギマった為政者(ウルトラマンベリアルの比やないヤバい奴やろ・・・)の方針により変貌した姿なんや。

 

 

放射能被爆そのもんがアウトやったんやのうて、度重なるやまと全国のバッシングに耐えかねて円谷プロが謝罪、封印に追い込まれたゆうのが実情のようや。

 


 

そやけど、公式にはあらへんかったことにされようとも、特撮ファンの間ではスペル星人の知名度はごっつう高い部類といえまんねん。アメリカでも似たような理由で封印作品となってしもたもんはいくつもあるが、あちらはいっぺん消えてしもたがケツ、「南部の唄」のように痕跡も残さず消されてまうことが多いことを考えると、やまとの娯楽コンテンツはまだまだおおらかいな土壌なんちゃうでっしゃろか。

 

 

 

 

 

一体何の話やったっかいな・・・?

 

 

 

 

あっ、そうだ結婚詐欺師の話やった!

ほんでこのスペル星人、ウルトラシリーズにしては珍しく恋人詐欺ちう侵略と呼ぶにはごっつう回りくどい方法をとっとるのがおもろい。

 

 

 

これを機に、どなたはんか「(血液)頂き宇宙人スペルちゃん」とかで非公式の漫画でも描いてくれしまへんかね?金と血では価値がちゃう?ほら、血税ちうやったらん・・・。

 

 

 

 

(管理人の感想)

セブンが難民の若者をジープで轢くやらなんやら日常的に虐待しとったってホンマやろか?

幻滅したんや、ガッチャードの人形売ってきまんねん・・・。














女子とお金のリアル
小田桐 あさぎ
すばる舎
2023-08-07