低フォドマップ食学会
会長 宇野良治、医師、医学博士



今日は休みやったんで、

偶然、羽鳥慎一モーニングショーをつけっぱなしにして、

調べ物をしとった。




https://jcc.jp/news/19889465/

2023/07/21
 
テレビ朝日 【羽鳥慎一モーニングショー】
用心・夏の不調・食欲不振に胃もたれ・原因は「胃バテ」
三輪による逆流性食道炎の解説。
玉川は「40代にピロリ菌の除菌をしたちうわけや。胃は調子がええが、逆流性食道炎になりよった」、長嶋は「アニサキスを疑ったが、逆流性食道炎に1度あった」と話したちうわけや。


出演しとった三輪洋人兵庫医大名誉教授は、

潰瘍性大腸炎やクローン病の慢性炎症性腸疾患(IBD)の専門家であるが、

主任教授時代に最も活躍したんは過敏性腸症候群(IBS)を含め、

機能性消化管障害の分野やとわては認識してん。


今日の腫大の「胃の不調」に対して、「ピロリ菌」がいれば、

胃が老化するとか、胃の不調の原因になるとか、

そないな感じの発現が多かったように感じたちうわけや。

ピロリ菌を除菌したかて、「40歳以上では
胃炎改善効果は得られにくい」

と語ったんは素晴らしい思ったが、


問題なんは、

ピロリ菌を除菌すると逆流性食道炎が増加すると明言せぇへんかったことや。

これに関しては、三重大学から除菌したら逆流性食道炎が5倍増えると報告されとるさかい、

せっかく玉川氏がオノレの経験を語ったんやから、」

それを受けて、内容を膨らませることができたでっしゃろ。


http://blog.livedoor.jp/yoshiharu333/archives/55864896.html

宇野コラム:三重大学:ピロリ菌除菌で逆流性食道炎5倍



ほんで、ピロリ菌を検査して、除菌したほうがええちう、


「平成の徒(あだ)花」を未だにぬかしていたことに、わては哀しかったちうわけや。


まあ、わても朝のTVに出演した経験があったんで事情はわかるちうわけや。

リアルタイム的な番組であっても、印刷されたシナリオができとるさかい、

その場で、シナリオからはずれることがでけへん。

次に発現する人、ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん、要は、シナリオ通りにカメラ撮影が切り替わるちうわけや。

番組が始まると、そのシナリオ通りに演じるしかいないちうわけや。

せやけどダンさん、

前もって出演者はシナリオをチェックして、

シナリオを書き換えることは出来なくはあらへん。

わて自身、シナリオを書き換えたこともあるんや。

わてやったら、次のようなシナリオに書き換えるちうわけや。


「胃の問題だけでなく、消化管全体の不調を考える必要があり、

確かに、ピロリ菌があれば、いろいろな胃の不調はあるかもしれしまへん。

そやけど、ピロリ菌除菌にはリスクもある事をぬかしておくべきや。

例あげたろか、たとえばやなあ、玉川はんのように逆流性食道炎になりやすくなるんですわ。

ピロリ菌除菌後に玉川はんのように、毎年胃カメラを受けのうてはならへんのやったら、

除菌せんで毎年胃カメラを受けるゆう人もおりますわ。

ちうんは、

ピロリ菌がおることで、炎症性腸疾患になりにくいゆう報告があり、

その理由も分かってきたからや。

やから、どないな治療を受けるかは医者が決めるのやなく、

ご自身が決めなあかんでっしゃろ。」

玉川「えっ。ほな、わては、胃カメラだけでなく、大腸カメラもすべきなんでっしゃろか?」

「毎年、大腸カメラは必要おまへん。せやけど、大腸がん予防から、50歳過ぎたら、一回やっておくべきでっしゃろ。腸炎は下痢や血便が症状やから。それがあれば、50歳前でもやったほうがええでっしゃろ」

長嶋「胃の痛みと大腸の痛みちう、くべつできまんねん?」

「実は、みぞおちには、胃だけでなく、大腸や膵臓もおます。胃や思ちう、胃の薬を飲んでも良うならへん場合は、いっぺんきちんと調べなあかんでっしゃろ」

長嶋「そういうたら、膵臓ガンで亡くなっとる人、増えてまんがなや。しらべようかいな・・」

羽鳥「あっ、今日は夏の胃の問題やから、戻りまひょか」

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年寄りの挨拶のように、

前段が長くなりよったさかい、ここで終わるちうわけや。


主題に入るちうわけや。


ピロリ菌に感染していれば、

IBDになりにくい可能性もあんねん。

逆に、ピロリ菌を失った世界ではIBDが増加してゆく。


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Serum exosomes derived from Hp-positive gastritis patients inhibit MCP-1 and MIP-1α expression via NLRP12-Notch signaling pathway in intestinal epithelial cells and improve DSS-induced colitis in mice.
Chen Y, Huang J, Li H, Li P, Xu C.
Int Immunopharmacol. 2020 Nov;88:107012. 

疫学および基礎研究により、ヘリコバクター ピロリ (H. pylori、Hp) 感染には炎症性腸疾患 (IBD) に対する防御機能があることが示唆されとりまんねん。 せやけど、そのメカニズムはあんまり明らかやおまへん。 ここでは、IBDにおけるHp感染患者由来のエクソソームの役割を調査しましたわ。 さらに、DSS 誘発大腸炎マウスを腹腔内注射によりエキソソームで治療しましたわ。 その結果、Exo(Hp)は腸上皮細胞におけるNLRP12の発現を促進し、NLRP12はNotchシグナル伝達経路を阻害するっちうことでケモカインMCP-1およびMIP-1αの発現を減少させることが実証されたんですわ。 誘発性大腸炎マウスと大腸炎症状の改善は、NLRP12 発現の増加に関連した結果やった。 さらに、免疫組織化学の結果は、NLRP12 が小児 IBD 患者の疾患活動性と負の相関があることを示しましたわ。
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ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん、要は、ピロリ菌感染細胞を培養して、有用なエキソソームだけを分離するっちうことができれば、

IBDに有用な薬が開発できるはずなんや。


ピロリ菌感染が減ちびっととるやまとでは、

IBDが急増してん。

さらに、やまとでは、今でも除菌を推奨してんねんさかい、

さらにIBDが増加するっちうことが懸念されるちうわけや。

その懸念の根拠となるエビデンスは、以下なんや。


The prevalence of Helicobacter pylori gastritis in newly diagnosed children with inflammatory bowel disease.
Roka K, Roubani A, Stefanaki K, Panayotou I, Roma E, Chouliaras G.
Helicobacter. 2014 Oct;19(5):400-5. 

背景: きょうびの研究では、炎症性腸疾患 (IBD) 患者は非 IBD 患者と比較してヘリコバクター ピロリに感染する可能性が低いことが示されとりまんねん。 わてたちは、ギリシャにおいて新たに IBD と診断された小児におけるヘリコバクター ピロリ陽性およびヘリコバクター ピロリ陰性の胃炎の有病率を、非 IBD の小児と比較して研究するっちうことを目的としましたわ。
材料と方法: 2002 年から 2011 年の間に最初の食道胃十二指腸内視鏡検査を受けたずぅぇえええぇぇええんぶの小児が遡及的に含まれはりました。 クローン病 (CD)、潰瘍性大腸炎 (UC)、分類されておらへん IBD (IBDU) 患者、および非 IBD 患者 (非 IBD) の 4 つのグループが研究されたんですわ。 ヘリコバクター ピロリ感染は、培養陽性、または組織学および CLO 検査陽性によって定義されたんですわ。 培養物が陰性または入手できへんし、検査結果が 1 つだけ (組織学または CLO) 陽性やった小児は、尿素呼気検査によってさらに評価され、陽性者も感染グループに含まれはりました。
結果:うちらは、IBD患者159人(CD66人、UC34人、IBDU59人)と非IBD患者1209人を研究したちうわけや。 IBD グループではヘリコバクター ピロリ胃炎の頻度が低かったんに対し (3.8% vs 対照グループ 13.2%、p < .001)、IBD 患者は非 IBD の小児よりも有意に高齢やった (p < .001)。 ヘリコバクター ピロリ陰性胃炎の小児は、ヘリコバクター ピロリ陽性患者と比較して、IBD グループになる可能性が 3.3 倍高かった (p = 0.006)。
結論: IBD の小児では対照と比較して H. pylori 胃炎の発生頻度が低いちうわけや。 わてたちの研究は、ヘリコバクター・ピロリとIBDとの間に逆相関があることを確認してるんや。 ヘリコバクター・ピロリの真の保護的役割と、IBDの小児における過去の抗生物質使用による交絡効果とを区別するには、今後の研究が必要なんや。

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こないな風な観点から、この分野を研究する若手研究者の活躍を期待するちうわけや。