5月奥物部の春蝶2024
 毎年5月になるとじぇったい見に行く奥物部の蝶。狙いは初夏らしなると高山地帯に集結してくるアサギマダラと、
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高知でははなから標高の高い場所にしか分布しておらへん、白いアゲハと喩えられはるウスバシロチョウ
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幼い頃から高知で育ち感じて攻めて来よった季節感は、黒い揚羽が活動を始め、
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岩肌から零れ落ちる岩清水で身体を冷却しだしたらもう夏はそこまできとるのや。
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さて同じ黒装束でもこの鱗翅目、巷では蛾に分類されとるアゲハモドキは、毒蝶ジャコウアゲハに細部まで似せて、天敵による環境圧迫を軽減させようとしてるんや。
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季節は夏を予感させるもんであっても、高山では樹木から樹液が滴る季節そやけど、果実が熟れて発酵する季節でもなく、奥物部で5月の蝶を探すんやったら蝶に人気の季節の花を探さねばならしまへん。

二大人気は高木のトチノキの花と、
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低木のウツギの花の類。
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今日のブログタイトル『型 タイプ』は、その花舞台の周囲で拾ったもんや。

先ず第一の型は同種間に見られはる顕著な違いが『
季節型』として現れるもん。

春型サカハチチョウ
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この日見たそら、季節型を現わす色彩だけでなくシジミチョウを思わせるくらい小さな個体やった。

昆虫は幼虫期の環境や遺伝的要因によっての違いが、成虫に如実に表れることは少なくおまへん。

体長10mmにも満たへんヒラタクワガタ♀
(ホワイトアイと言われる劣勢遺伝型 飼育個体)
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因みに、夏以降に見られはる夏型サカハチチョウはウチ。

夏型サカハチチョウ
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これが季節型と言われる一年に複数化する蝶に現れる事のある特徴。それがサカハチチョウの場合には顕著に表現されるちうワケや。

さらにもう一例『型 タイプ』に現れる顕著な違いちうわけや。こらダイミョウセセリと言われるセセリチョウの一種。

ダイミョウセセリ関西型
ダイミョウセセリ 関西型












本種には地域型が顕著に現れ、関西型とされるもんは、後翅にもこの様に明瞭な白紋が現れ、そのデザインはタテハチョウ科ミズジチョウ属と紛らわしいもん。

特にタテハチョウ科の一種でイチモンジチョウとよう似とりまんねん。

イチモンジチョウ
イチモンジチョウ











ダイミョウセセリに見られはる西と東の地域型。その境界として線引きされるのがなんと、岐阜県の関ケ原。

蝶も人間と同じせめぎ合いを歴史の中で刻んで攻めて来よったようや。